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お盆が近づくと各家々では玄関先に精霊棚(水棚)を出したり、普段仏壇の中にある位牌を床の間などに出したり、墓掃除をするなどしてご先祖さまをお迎えする準備をされると思います。お祀りの仕方は様々ですが、精霊棚(もしくは床の間などの祭壇)を清めて生花、灯明、線香、水、洗い米の他に旬の野菜、果物をお供えするのが一般的です。ご先祖さまの魂はこのお盆の期間、彼岸という仏の世界での旅(修行)から帰ってきてそれぞれの家で過ごされ、これらの供物を召し上がるといわれています。
さて、「人生は旅である」という言葉をよく耳にしますが、「旅」とは普段の生活から離れ、様々な土地の歴史、文化、自然、食に触れることや多くの人との出会いであり、人生における知識を蓄えると共に心を豊かにしてくれます。
人生には「生老病死」の苦しみが伴いますが、「旅」での経験はこの苦しみを苦しみでなくするヒントを与えてくれます。ご先祖さまの魂もまた彼岸での経験を積み、現世に生き、仏に手を合わす子孫である私達の心に“安心”という「お土産」を持って帰ってくださるのがこのお盆です。
ですから、日本では昔からご先祖さまに対して感謝し、また家族、親縁の者が集い昔話や近況など語らうことでお互いの絆を確認し強めてきたのです。ご先祖さまはその様子を近くでご覧になり、またそれを「お土産」にして彼岸に渡り、悟りの境地に至る糧としてさらなる旅に出られるのです。
おもてなし(布施)の心を持って気持ちよくご先祖さまをお迎えし、喜んでいただきお送りできたらいいですね。 合掌
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