|
当山では、こぼんさん修行、盆経、施餓鬼供養が終わり夏の行事が無事、ひと段落しました。今年は、長梅雨だったせいか昨年に比べ暑さが凌ぎやすかったように思います。気がつけば朝晩には秋の虫たちの鳴き声が聞こえてきて、そよそよと心地よい風が網戸越しに吹いてきます。
最近の盆経ではお家の仏間に上がってのお参りが増えてきましたが、お寺の近くの檀家さんをお参りするとまだ多くの家の玄関先に水棚が設けてあり、その棚の前でお勤めをします。この水棚にお参りするのが本来の姿で、盆経のことを「棚経」という由縁です。
というのは、お盆には先祖代々の方々が各家に帰ってこられ、一緒に行き場の無い精霊(供養を受けられない霊)もついてきます。ご先祖さまは祭壇の供物を召し上がることができますが、それ以外の精霊は供物にありつけません。 この餓鬼たちがしばしば災いをもたらすので、家の中に入れないために、玄関先に水棚を設けて棚の上にはご先祖さまへの供物を供え、お坊さんにお勤めしてもらうことで、その供物の一部はこの餓鬼たちに施されるといわれています。
不思議なことに読経を始めると庭のあちこちから蛙や虫たちが棚の方へ集まってくる家が何軒かありました。読経が終わるころまでじっとこちらを見つめるようにしているのです。供養を受けに来られている精霊であろうかと思い、一心にお勤めしました。
施餓鬼供養も同じく、各家先祖代々の供養と共に普段、供養を受けられない精霊に対しても供物を施し、施餓鬼棚で水供養していただくことは、布施行ですからとても大切な法要のひとつなのです。
先祖供養、施餓鬼供養をすませ、日々が無事に過ごせることへの感謝の気持ちが自然と涌いてきたならば、何よりのおかげをいただけたのではないかと思います。 合掌
|