真言宗 御室派 

清 蓮 山
  
森 泉 寺


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No.5 2009.04.17

 今年の桜は開花が早かったにも関わらず三月末の寒の戻りで、ほころびかけた蕾が縮こまり、満開になるまでの長い間、花見を楽しむことができたように思います。

 今ではもう、山を見渡すと新緑の季節。境内のもみじの樹も瞬く間に可愛らしい葉を広げ、春の日差しを逃すまいとしているようです。個人的にはこの若葉の勢いのある時期が好きなのですが、「木の芽立ち」は心が沈んでしまうという人も多くおられるようです。

 なかなか物事がうまく進まなかったり、精神的な病に苦しむ人が増えている現在、この爽やかで清々しい季節を嫌う人が増えているように感じます。

 お大師さまの著書に「禿(かむろ)なる樹、定(さだ)んで禿(かむろ)なるに非(あら)ず」という言葉があります。これは自然は変わらないように見えて絶えず変化している。春を待つ樹は禿げて(はげて)いるようだが、寒さに耐え、次の新芽を芽吹かせるエネルギーを蓄えている。やがてその樹の生態によって時期がくれば花を咲かせ、若葉が枝を満たしていく。それと同じく人もまた自然の一部。苦しい時期があってこそ、いつか花開き、芽吹く時期がくるのだ。という意味です。
 
 周りと自分を比べることで一喜一憂するのではなく、仏さまやご先祖さまに手を合わせ、じっくりと自分を見つめ直していくと自然とその時期が訪れるのではないでしょうか。  合掌


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