五月は森泉寺の境内が1年で最も色鮮やかになる季節です。池の周りにはつつじ、シラン、あやめ、しゃくやく、そしてもみじの新緑。風もやわらかで気持ちがいいものです。
今年は3年ぶりにカルミヤシャクナゲの花芽が出て、可愛らしい薄紅色の花を咲かせ始めました。草木はものを言いませんが、不思議と人の心に伝わるものがあります。
一方、人は言葉を使ってお互いのコミュニケーションを取ります。普段何気なく使っていますが、言霊(ことだま)ともいわれる様に言葉には生命があり、極端にいえば他人を殺すことも幸せにすることもたったひと言です。
また、粗末で雑な言葉は、使う人の心や人格を害ね、聞く人も害います。
以前にも述べた十善戒のなかで、身(体を使った行い)に関する戒めは3つ。、口(言葉)は4つ。、意(心)は3つであることからも分かりますが、言葉に関する戒めが多いのは使い方によってそれだけ影響が大きく、大切だからといえます。
お大師さまがお伝えになられた教えは身を印し、(印を結ぶ)真言(陀羅尼)という妙なる仏さまの真実の言葉を口に唱え、心を仏さまに合わせることで、仏となれるというもので、す。そして、とらわれることなく、慈しみの言葉を持って、あらゆる人と融和し、常に反省と精進を保ち、いつでも自分を整えることができるようになるのです。
少し難しい話になりましたが、他人の悪口を言ったり、いつわり、無駄口を言ったり、二枚舌を使ったりすることは、向かい風に砂を撒くようなものです。
口をつつしんで、今一度、言葉の尊さに手を合わせ、心して与えられた尊い言葉を家族を始め、全ての幸福のために使いましょう。
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